本記事では投資するときの悩みの種でもある購入タイミングを悩むことなく購入できる方法として【ドルコスト平均法】についてお伝えします。
本記事で得られる事
- ドルコスト平均法の仕組みがわかる
- ドルコスト平均法に適した投資スタイルがわかる
- 購入タイミングに悩むことが無くなる
目次
ドルコスト平均法とは
継続的な長期投資で金融商品の購入価格を低く抑えることで少しでもキャピタルゲインを出しやすくすることは必須です。
では、いつ購入すれば金融商品の購入価格を低く抑えることができるのでしょうか。
いつの時代でも投資初心者にとって頭を悩ませるこの問題を解決するのに役に立つかもしれないのが、ドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法とは、どのような投資手法なのでしょうか。
ドルコスト平均法の仕組み
ドルコスト平均法では、同一の金融商品を定期的に同じ金額だけ購入します。
よくある例として、株式や投資信託を毎月10,000円などの定額で購入するケースを見てみましょう。
当然ですが株式の価格は毎日変動します。
最初の月に1,000円の株価をつけたA会社の株券を10,000円分購入したとします。
この月は、10,000÷1,000=10株分購入することができました。
次の月の株価が2,000円に上がっていたとすると、10,000÷2,000=5株分購入することができます。
その次の月には株価が500円に下落していたとすると、10,000÷500=20株分購入することができます。
このようなことを延々と続けていきます。
ここまでA会社の株券を30,000円かけて、35株購入したことになります。
1株当たり30,000÷35≒857円で購入できたことになっています。
したがって、A会社の株価が857円以上をあるときに売却すれば、キャピタルゲインを得ることができます。
このようにドルコスト平均法を用いることで1株当たりの平均取得価格を下げることができるため、いつ購入したらよいか迷う必要がありません。
ドルコスト平均法のメリット
購入タイミングを気にせず購入できる
ドルコスト平均法は毎月など決まった周期で決まった金額を購入します。
一言でわかりやすく言えば、「積立投資」の事を言います。
定期定量で購入するので売買タイミングを一切考える必要がありません。
仮に高値づかみをしてしまったとしても、購入し続ける事によって平均的なポジションで購入できるようになることからリスクを軽減できる方法と言えます。
高い時には少なく、安い時に多く購入できる
ドルコスト平均法では同一の株を、「高い時には少なく、安い時に多く購入できる」ため1株当たりの平均取得価格を下げることができます。
株価のチャートをみれば過去のどの時点で購入すれば安く仕込むことができたのか知ることはできます。
しかしチャートからいつ購入すれば安く仕入れることができるのか予測するには、テクニカル分析についての手法を学ぶ必要があります。
そして幾多の成功と失敗を繰り返してやっとテクニカル分析を身に着けることができるのです。
その境地に至るまで投資をおそれてしなければ投資の機会そのものを逸してしまいます。
まずは失敗の少ない方法で投資を始めるという観点からは、初心者にとってドルコスト平均法は心強い味方といえるでしょう。
ドルコスト平均法のデメリット
手数料負担が購入のたびにかかる
ドルコスト平均法では、同一の金融商品を回数を分けて購入することになります。
したがって証券会社や銘柄、購入金額によっては手数料が購入のたびにかかることになります。
この手数料は投資成果に限らずかならず収益を圧迫するものです。
店舗型の証券会社では必ずかかります。
ネット証券を活用することでこの手数料がかからないように工夫が必須です。
短期間ではあまり効果が出ない
ドルコスト平均法で1株当たりの平均取得価格を下げるためには、長期の継続的な購入が必須です。
1株当たりのキャピタルゲインを最大化するには、長い投資期間の間に価格の大幅な下落があるか売却時の株価が大幅に上昇しているかのどちらが必要です。
したがってドルコスト平均法で金融商品の積み立てを始める場合には長期での投資を前提として要求されます。
ドルコスト平均法を活用するのに適した投資スタイルとは
キャピタルゲイン目的の売買には適さない
ドルコスト平均法では長期にわたって定額で購入し続けることで、株価が上下の変動を織り込んで購入価格としています。
したがって、キャピタルゲインを短い期間であげる投資スタイルには、1株当たりの平均取得価格を下げるまでにかなりの時間を必要としてしまうという点で向いていないと言えます。
長期投資でじっくりと腰を据える取引に適している
反対に、ドルコスト平均法を活用するのに適した投資スタイルとは、「バイ&ホールド」に代表されるような長期の投資です。
積立NISAやiDeCoなどの金融庁主導の投資家優遇制度も「バイ&ホールド」が多くの個人投資家によって有益であることから、ドルコスト平均法を最大限活用できるような制度設計となっています。
多くの投資の初心者が陥りやすい間違いとして挙げられるのが、価格が下がったときにこれ以上損失が拡大するのを防ごうと思って売却してしまうことです。
売却することで損失が確定してしまいます。
ドルコスト平均法を活用する場合には、購入時の価格はあまり関係がありません。
むしろ価格が下がっているタイミングは、多く仕込むことができるタイミングでチャンスであることを肝に銘じておく必要があります。
多くのネット証券会社は、積立投資を機械的に継続できるようなシステムが整っています。
多くの場合手数料もほとんどかかりません。
ドルコスト平均法を活用して積立投資をする場合にはぜひともネット証券会社を活用しましょう。
まとめ
本記事では、ドルコスト平均法についてお話しました。
要点をまとめるとこのようになります。
【ドルコスト平均法のメリット】
- 購入タイミングを気にせず購入できる
- 高い時には少なく、安い時に多く購入
【ドルコスト平均法のデメリット】
- 手数料負担が購入のたびにかかる
- 短期間ではあまり効果が出ない
【ドルコスト平均法に適した投資スタイル】
- キャピタルゲイン目的の売買には適さない
- 長期投資に適している
以上となります。
ドルコスト平均法は、投資初心者が陥りがちな購入タイミングがわからないという悩みを解決する最も適した投資方法と言えます。
短期的には効果が出にくい投資方法となりますので、
「本当に効果があるのか?」
「もっと他にいい方法があるのではないか?」
短期で利益の出せるリスクの高い投資を行い、資産を減らす方も非常に多いのが現状です。
こういった失敗をしないためにも、ドルコスト平均法を活用した長期投資を行い資産形成をしましょう。