本記事で分かる事
- 72の法則とは何か?
- 72の法則をどのように使用するのか?
- 72の法則を踏まえた投資方法とは?
目次
72の法則とは
金融商品への投資で収益をあげるためには、購入しようとする金融商品が投資先として有望であるかを見極める必要があります。
投資の収益があがるのは将来のことですから確実にこの商品なら儲かると断言することができません。
しかし、少なくとも当初から投資価値のないダメな商品を買わないように投資先候補からはじくことができれば、投資による失敗を一定確率低減することができるでしょう。
そこでお勧めなのが、【72の法則】です。
72の法則とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは金融商品の良しあしを判別するものとして、72の法則についてご紹介します。
金融商品の良し悪しをざっくり見積もるための法則
72の法則とは、複利の金融商品の想定される年利回りで72を割ると、元金が2倍になるまでの期間をざっくりと計算することができるものです。
例えば、年利回り6%の株式を100万円分購入する場合、72÷6=12年後に元金が2倍の200万円にふえているであろうということが簡単に見積もることができます。
これを確認するために、横軸に経過年数を、縦軸に各都市の総資産額をとったグラフを作成しました。
グラフ挿入
このグラフを見てもわかる通り、12年後には元金の2倍である200万円に資産額が到達しています。
厳密には、12年後の総資産額は2,012,196円で、ぴったり200万円なわけではありませんので、72の法則はざっくりとその投資商品の実力を見積もるのに適しているといえるでしょう。
72の法則で金融商品を直感的に評価する
72の法則を使うことでその金融商品がどれだけ効率よく資金を増やしてくれるかを、簡単に識別できることをご紹介しました。
一方で、この法則は複利であれば適用できます。
この性質から金融商品のうち利子を支払うことになる借金の利率についても計算することができます。
たとえば、消費者金融でお金を借りる場合、借りる金額が10万円以上100万円以下の場合、法定の最大利率は18%となっています。
この場合、72の法則を適用して考えると72÷18=4年間で借りた元金が2倍にまで膨れ上がってしまうことが判断できます。
借金を返済せずにそのまま放置することは通常では考えにくいものの、借金をすることが資産形成の観点からはかなり不利であることがおわかりいただけるかと思います。
115の法則とは
72の法則に類似したものとして、115の法則があります。
複利の金融商品の利回りで115を割ると、元金が3倍になるまでの期間を簡単に見積もることができます。
先ほどの例の年利回り6%の株式を100万円分購入する場合では、115÷6≒19年で元金の3倍である、300万円に総資産額が到達していることがお分かりいただけると思います。
こちらも長い目で見たときの投資商品の実力を見極めるのに活用できます。
100の法則とは
銀行の定期預金のような単利の商品の実力を見極めるのには、100の法則が役立ちそうです。
金融商品の年利回りで100を割ってあげると、元金が2倍になるまでの期間をざっくり計算することができます。
ネット銀行の雄である住信SBIネット銀行では、定期預金の金利はキャンペーンなどで多少上下するものの、おおむね0.020%です。
したがって住信SBIネット銀行で定期預金をした場合、100÷0.020=5,000年かかってやっと元金が2倍になることが予測されます。
これを見るだけでも余剰資金を銀行に預けておくのはもったいなく、金融商品を購入して地道に資産を形成していくことの重要性を確認することができます。
一般的な投資商品の年率
新しく投資を検討する金融商品の実力を見極めるのに72の法則が役立つことが確認できました。
それでは、一般的な投資商品の年利回りはどの程度に設定されているのでしょうか。
これを確認しておくことで、いかにも怪しげな金融商品を見分けることができます。
バブル期の定期預金
失われた30年といわれる低成長が続いた日本経済は、その直前に空前の好景気であるバブルがありました。
バブル期にはお金を儲けることが落ちているお金を拾うのと同じくらいであると認識されていました。
その代表例として、バブル期のゆうちょでは10年定期でなんと年利回り8%を超えていました。
しかも元本保証つきです。
今の時代では考えられないほどの金利がついていたことがお分かりいただけるかと思います。
株式・債権・不動産投資
現代の日本経済で代表的な金融商品である株式・債権・不動産投資はどの程度の利回りが標準的といえるでしょうか。
個々の投資案件によってもバラツキはあるので一概には言えませんが、株式投資の場合平均的な利回りは6%程度、債券は1%程度、不動産投資は5%程度であるといわれています。
ロバート・キヨサキ氏は年率16%を下限としている
金持ち父さん貧乏父さんの著者として有名なロバート・キヨサキ氏は、投資対象の利回りを最低でも16%の商品を購入すると述べています。
現代の日本で16%もの高いリスクをとって投資するには相当の自身と経験とが必要となりますが、このような指標で投資を検討しているプロフェッショナルの考え方を頭の隅にでももっておくことも重要です。
72の法則を踏まえてた投資の戦略とは
72の法則を用いることで、金融商品を購入するときに一定の道筋をつけることができます。
その方針として以下の2つが考えられます。
高い利回りの商品に投資をする
短い期間で高い投資収益をあげるためには、少しでもよい利回りの金融商品を選択することが必須であることを改めて確認することができました。
とはいえ高い金利の商品はそれだけ元本を割って損失を出しやすい高リスク商品であることも一面にあります。
自らのリスク許容度の中で可能な限り高い利回りの商品を選択するようにしましょう。
長期の投資期間で臨む
72の法則をあてはめることができるのは、投資期間中に売買をせずに長期で保有し続けた場合のみです。
加えて、売買を繰り返すことで手数料や税金がかかることからより利益を取り逃しやすくなります。
以上を踏まえて、72の法則は長期投資を志す場合には、役に立てることができそうです。
まとめ
72の法則について解説しました。
目の前にある投資先の良し悪しを瞬時に計算できるのでぜひ活用してみて下さい。
本記事を要約するとこのようになります。
【72の法則で分かる事】
- 複利の金融商品の利回りで72を割ると元金が2倍になるまでの期間
- 自らのリスクを考慮して高い利回りの商品に投資する
- 長期の投資期間で臨む
他にも『115の法則』や『100の法則』も理解して投資に役立ててください。