こんな悩みにお答えします。
この記事を読んでわかる事
- 電力の自由化とは?
- 電気代が安くなる仕組みがわかる
- 自分にぴったりの電気会社がわかる
- 電気料金を年間3万円以上節約できるようになる
家計状況の改善を図るために節約に取り組まれている方は多いかと思います。
効果的に節約するためには固定費を削減することが一番の近道です。
携帯電話の通信費は格安SIMを利用することによって削減できることは一般によく知られていますが、昨今推し進められている電力自由化によって電気代も自分の好みの電気事業者と契約することによって、削減できるということはあまり知られていません。
ここでは電力自由化を活用して家計の固定費を削減しようと題して、電力自由化によってそれほど月々が電気代を抑えられるのかご紹介します。
目次
電力自由化とは
2011年の東日本大震災により原子力発電所の稼働が難しくなった現状において、既存の電力会社が電力の販売を独占していたので、競争原理が働かず家庭の電気代を削減するということが難しくなっていました。
政府は2016年1月から利用者にとっての電力会社の選択肢を増やし電力の安定供給につなげることを目的として、様々な事業者に延期の小売を許可しはじめました。
これによって従来では地域ごとに決まった電力事業者のみから電気を買うことになっていましたが、利用者が電力事業者を主体的に選ぶことができるようになりました。
電力自由化のメリットは?
自分の好きな電力会社を選択することができる
東日本大震災以降普段使われている電力がどのように生成されたのか気にかける人が増えてきました。
原子力発電に反対する人たちは、風力や太陽光などの再生可能エネルギーに寄って発電された電気を利用することで、自らの意思表示をしたいと考えるようになりました。
電力自由化が始まるまでは、住んでいる地域ごとに決まった電力事業者からしか電気を購入できませんでした。
電力自由化が開始されたことによって、再生可能エネルギーを利用して発電する電気事業者から電気を購入することができるようになりました。
これによって通常の電気料金よりは割高かもしれませんが、再生可能エネルギーでの発電の事業を応援することができます。
このように自らの主義主張に合わせて電力会社を選択できるようになったのが、電力自由化のメリットの一つです。
電気料金を安く抑えることができる
電力自由化によって利用者には様々な選択肢が用意されるようになりました。
自らの主義主張に合わせて電力会社を選択することができるので、ひたすら電気代を抑えたいという消費者のニーズも叶えられるようになりました。
一定の要件さえ満たせばどんな事業者でも電力会社として営業を行うことができるようになったので、電力会社の業界にも競争原理が働くようになり、低価格を売りにして電気を販売する事業者も現れるようになりました。
利用者はそのような事業者を選択することによって、家計における電気代を賢く復元することができるようになります。
多くの一般の人が電力自由化によって享受することができるのは、このようなケースでしょう。
電力自由化に関するよくある誤解
電力自由化によって、利用者は自分の好きな電力会社を契約することができるようになりました。
しかしながらまだまだ発展途上のようです。
2018年12月に経済産業省が発表した統計データでは、新電力に移行した世帯数は全体の20.5%にとどまっているようです。
国民の8割程度はまだまだ旧来の電力会社と契約して電気代を支払っているようです。
参考;電力のスイッチング率(事業者間・事業者内、低圧)が20%を超えました経済産業省
このように普及が進まない理由の一つとして、電力自由化をめぐるよくある誤解によるものが考えられます。
「停電が発生した場合に復旧が遅いんじゃないの?」
「電力の供給が不安定になったりしないのだろうか?」
このような誤解がよく見受けられます。果たしてこれは本当なのでしょうか。
新電気事業者と契約することによって、停電した場合の復旧が遅れたり、電力の供給が不安定になったりすることはありません。
こちらの図で旧一般電気事業者(東京電力や関西電力など)と新電気事業者、一般家庭と送電網の関係についてまとめています。
旧一般電気事業者は電力を発電しています。
発電された電気は送電網を通って一般家庭に届けられます。
一般家庭は、使用した分だけ契約している新電気事業者に電気料金を支払います。
一方で新電気事業者は、旧一般電気事業者に対して送電網を使わせてもらっているコストと、一般家庭が利用した電気代を支払います。
一般的な新電気事業者は、自ら発電して送電網に電気を流しているわけではありません。
あくまで一般家庭がどれだけ電気を利用したのかカウントしているだけです。
このため新電気事業者と契約したからといって、その家庭だけ停電したり不安定な電力の供給ということはありません。
電力の安定供給という面で重要な役割を果たしているのはむしろ送電網です。
送電網の維持管理は従来の一般電気事業者が責任をもって行いますので、実際に利用する面に関しては一般家庭ほどの電気事業者と契約しても全く変わりません。
以上のことにより、安定した電力供給はそのままに、安い電気料金に抑えることができるのが電力自由化の最大のメリットであるといえます。
現在の電気会社を乗り換えた場合の電気料金をシミュレーションしてみよう!
ここまで電力自由化の仕組みとメリットについてご紹介してきました。
それでは、どれぐらい現在の電気料金が安く抑えることができるのでしょうか。
具体的な例を挙げてどれぐらい安くなるのかシミュレーションしてみましょう。
以下の条件でシミュレーションを行いました。
【シミュレーション条件】
- 4人家族
- 従量電灯B
- 契約電流;50A
- 1年間の電力使用量6,379kWh(東京電力が公表している四人家族の電力使用量)
電力自由化で最近テレビCMに力を入れている、東京ガスに東京電力から電力会社をスイッチした場合についてシュミレーションした結果がこちらです。
電力会社名 契約コース名称 | 東京電力 | 東京ガス ガス・電気セット割 |
基本料金 | 16,848円 | 16,848円 |
従量料金 | 183,131円 | 174,075円 |
割引 | – | -3,240円 |
年間電気料金 | 199,974円 | 186,679円 |
1年間で節約できる金額 | 16,295円 | |
その他の特典 | 1,000円ごとに15ポイント付与 (ポイントは、楽天スーパーポイント・Pontaポイント・Tポイントに交換可) |
<表1 東京ガスに新電力会社を移行した場合の金額シミュレーション>
自宅のガスが東京ガスと契約している家庭でのみ、申し込んで加入することができるのが東京ガスの提供する【ガス・電気セット割】です。
ガス・電気セット割で契約すると、1年間で3,240円の割引を受けることができます。
その上月々利用した電気使用量に応じて請求される従量料金も、わずかですが東京電力よりも安く提供されています。
この結果1年間では、16,295円電気代を安く済ませることができます。
その上電気料金を1,000円支払う度15ポイント付与され、このポイントは、楽天スーパーポイント・Pontaポイント・Tポイントに一対一の割合で交換することができます。
このように電力自由化によって電気事業者を設置した場合には、料金はそのままに従量料金が安くなったり付加された特典を受けたりすることができます。
このような電気事業者を選択した場合には、請求される電気料金にはいくつかの内訳がありますが、割引が効くのは主に電気料金の部分となっています。
1年間では16,295円節約することができるので、早く電力会社をスイッチすればするほど得できる金額も多くなるのは言うまでもありません。
電気事業者の選び方
ここまで電力会社を切り替えることによって、電気代を節約できるということをご紹介してきました。
ここからはいくつかのパターンでおすすめの電力事業者をご紹介します。
とにかく安い電気会社を契約したい
とにかく安く電気代を抑えたいというニーズに応えて、いくつかの代謝の電力プランをピックアップしました。
シミュレーション条件は先ほどと同じとしてあります。
電力会社名 契約コース名称 | 東京電力 | ピタでん 使いたい放題 | エルピオでんき スタンダードプランS |
基本料金 | 16,848円 | 144,000円 | 15,387円 |
従量料金 | 183,131円 | 16,902円 | 161,272円 |
年間電気料金 | 199,974円 | 160,902円 | 177,106円 |
1年間で節約できる金額 | 39,072円 | 22,868円 | |
その他の特典 | 12カ月以内に解約した場合、解約違約金として2,160円徴収される | – |
<表2 とにかく安い電気会社を契約した場合の金額シミュレーション>
ピタでんの【使いたい放題】プランでは基本料金が高く設定されていますが、そのぶん従量料金が抑えられています。
結果的に1年間でなんと39,072円も節約することができます。
ただし、契約してから1年以内に違約金を2,160円支払わなければならないことに注意しましょう。
エルピオでんきでも、1年間で22,868円も節約することができます。
支払をまとめたい
<表3 携帯電話会社とセット割を比較>
電力会社名 契約コース名称 | 東京電力 | ソフトバンクでんき バリュープラン | auでんき
|
基本料金 | 16,848円 | 15,552円 | 16,848円 |
従量料金 | 183,131円 | 178,146円 | 183,067円 |
年間電気料金 | 199,974円 | 193,692円 | 199,911円 |
1年間で節約できる金額 | 6,282円 | 63円 | |
その他の特典 | おうち割でんきセット(M)適用で、24カ月間200円割引 | 電気料金を使用量に応じて、auwalletポイントに還元 |
とにかく安く電気料金を抑えるところには届かないものの、東京電力で契約し続けるよりは多少の割引を受けることができます。
ソフトバンクでんきの場合には、スマートフォンの支払い料金とまとめることによって、24ヶ月間200円の割引を受けることができます。
auでんきの場合には、支払った電気料金に応じてauウォレットポイントに還元されます。
電気料金が4,999円までの場合1%、5,000円から79,999円までの場合3%、8,000円以上の場合5%の還元を受けることができます。
還元されたポイントは全国のコンビニなどで利用することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電力自由化によって、利用者は電気料金を安くしたいとか、支払いを求めたいなどの観点で電力会社を選ぶことができるようになりました。
きたる2020年4月からは電力自由化の経過措置期間が終わり発送電分離が完了するため、利用者は積極的に電力事業者を選ばなければならなくなります。
これに備える意味でも、これをきっかけに電気事業者の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。