貸し会議室投資を始めたいけれどうまく運営できるか不安だ、という方も多いでしょう。
貸し会議室投資は仕組み上、手元にまともな利益が入ってくるにはタイムラグがあるのが特徴です。
その平均期間は3ヶ月から6ヶ月。
この期間は赤字を覚悟しておかなければいけません。
また、6ヶ月乗り切ったからといってどの物件でも利益が出るかというとそうではありません。
本記事では、貸し会議室投資の初期に赤字が続く理由と初期から高い確率で収益化できる方法についてご紹介します。
目次
貸し会議室とは?
貸し会議室(かしかいぎしつ)とは?
会議・打合せをする場所を設備と共に一定時間で貸し出す会議スペースもしくはサービスそのものを言う。採用試験・就職説明会・社内研修・株主総会・債権者集会・趣味のサークル活動などにも使われる。
〈引用元:wikipedia〉
モノや空間など様々なサービスを共有するシェアビジネスの一種です。
使われ方としては様々です。
最長6ヶ月は赤字になる理由
貸し会議室投資は平均3ヶ月から6ヶ月は赤字が続く可能性があります。
それはなぜか?
理由は2つあります。
【赤字スタートの理由】
- 貸し会議室の仕組み
- 認知されるまで時間がかかる
それぞれについて解説します。
貸し会議室の仕組み
貸し会議室投資は、使用してもらってから利益を得るまでにタイムラグが存在します。
その期間は2ヶ月。(6ヶ月の内の2ヶ月)
なぜタイムラグがあるかというと、貸し会議室の運営方法に理由があります。
貸し会議室は、集客する為に専門のプラットフォームを利用します。
主なプラットフォームは3つ。
【貸し会議室のプラットフォーム】
- spacee(スペーシー)
- スペースマーケット
- インスタベース
これが貸し会議室のプラットフォームTOP3。
ここに登録をして集客を行い、売り上げからシステム使用料を差し引いた金額が振込されるという仕組みです。
利用するユーザーの支払い方法は『クレジットカード』がメイン。
その為、収益が手元に届くのは2ヶ月後になるということです。(6ヶ月の内の2ヶ月)
認知されるまでに時間がかかる
例えば、新しいお店が出来た時どのような方法でそのお店の存在を知るのかを考えてみてください。
- 通りがかりに発見した
- 広告を見た
- 看板を見た
- 口コミで知った
このような方法で新店舗の情報を得るのではないでしょうか。
しかし、貸し会議室の場合はお店のような方法で存在をアピールすることができません。
- 通りがかりに発見した→建物内なのでわからない
- 広告を見た→広告宣伝費がかけられない
- 看板を見た→室内なので看板がない
- 口コミで知った→利用者がいない
企業ならともかく個人で運営する場合、広告宣伝費にお金をかけることは難しいでしょう。
唯一できるのが④の口コミです。
しかし、利用してもらわなければ口コミも書いてもらえません。
そこで、まずは集客して利用してもらい、プラットフォームのレビュー欄に評価を記入していただきます。
【レビューでの評価の例】
スペースマーケットの例です。
レビューはプラットフォームによって異なりますが、5段階評価と利用者のコメントが記載されています。
レビューで高評価を獲得できれば、次の利用者につながっていくというわけです。
食べログなどと同じ原理ですね。
高評価のものは良いものと判断され、利用者が増えるという流れです。
このように利用してもらいレビューを溜めるまでに時間がかかるので、固定客を掴むまでは赤字が発生する可能性が高いということなのです。
クレジットカードでの支払いに2ヶ月、レビューを溜めて固定客を掴むまで1ヶ月から4ヶ月。
最大6ヶ月程度は黒字収入が手元に来るまでにタイムラグが発生する。
これが貸し会議室投資初期の赤字期間の真相です。
貸し会議室投資で失敗しない為には
貸し会議室投資で失敗しないための秘訣は、入念なリサーチが必要です。
- 立地
- ニーズ
- 競合 …etc
数えればきりがありませんが、利益を出す為には運営を始めてからでは遅いのです。
始める前に入念なリサーチをして、万全な状態でスタートする。
『勝つべくして勝つ』ということです。
その為には、知識が豊富で貸し会議室のことを知り尽くしたスペシャリストに依頼するのが一番。
信頼できる代行会社に依頼することです。
管理手数料は取られますが、払ってでも任せた方がトータルメリットは大きいでしょう。
アカキンは10室の貸し会議室を運営していますが、全て代行会社にお任せしています。
信頼できるあ優秀な代行会社に任せているので、完全ほったらかしで運営中。
まさに不労所得というわけです。
しかし、注意点があります。
しっかりと信頼できる管理会社に任せること。
そうでないと、後々運営できなくなるような問題に発展することも…
代行会社の選びの注意点は下記の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
貸し会議室投資で初めから利益を出す方法
譲渡物件とは?
譲渡物件とは?
元々貸し会議室として運営をしている物件の営業権を譲渡してもらうこと。
つまり、実際に貸し会議室を運営して利益の出ている物件の収入を受け取れる権利を購入するということです。
通常物件と譲渡物件の違いは?
通常物件と譲渡物件の違いは、物件の貸借名義が異なる点にあります。
通常物件は物件のオーナーと自分で賃貸契約を結びますが、譲渡物件は物件のオーナーと自分で賃貸契約を結ぶのでは無く、代行会社と営業権の譲渡契約を結ぶのです。
わかりやすくいうと、物件を借りているのは代行会社、その物件から入る損益は自分(契約者)のものになるということ。
これが通常物件と譲渡物件の違いです。
それでは、譲渡物件のメリットとデメリットを見てみましょう。
譲渡物件のメリット
【譲渡物件のメリット】
- 賃貸契約が不要
- 煩わしい手続きがない
- 当初の赤字期間がない
- 過去から実績のある物件が手に入る
賃貸契約が不要
貸し会議室を運営する為には物件が必要です。
貸し会議室を始めるためには、使用していない自己所有の遊休物件を利用するか賃貸物件を借りるか2つの方法があります。
大半が後者の賃貸物件で貸し会議室を行いますが、個人だと少々ハードルが上がってしまいます。
理由は、貸し会議室の賃貸契約が結びにくいということ。
賃貸契約を結ぶためには、住居としてではなく事務所として契約をする必要があります。
個人が事務所として借りる(特に住居とは離れた場所)場合は、契約が結びにくいという傾向があります。
物件の審査くらいなら楽勝でしょ?
そう思われるかもしれませんが、そんなに簡単な話ではないのです。
貸し会議室を運営するためには2つクリアしなければいけない壁があります。
【貸し会議室物件を取得する2つの壁】
- 物件のオーナーや管理会社の審査
- 保証会社の審査
1つ目は、物件のオーナーや管理会社。
物件のオーナーや管理会社に貸し会議室を運営する許可を得る必要があります。
これがいわゆる『許可物件』と呼ばれるもの。
こちらは代行会社などのサポートを受ければ、問題なくクリアできるでしょう。
問題は、2つ目の保証会社の審査です。
保証会社の審査は、オーナーや管理会社とは全く異なる審査方法になります。
保証会社の審査は、家賃の支払い能力を審査するのが目的。
- 何のために借りるのか?
- 毎月どれほどの売上を見込んでいるのか?
など、多くの質問に明確な回答をしなければいけません。
ここでのポイントは、オーナーや管理会社に貸し会議室運営の許可を貰っていたとしても、『貸し会議室を運営する』とは言えない場合が多いということです。
理由は、保証会社の理解が追いついていないから。
理解のある保証会社であればいいのですが、多くの場合、貸し会議室はどういったものか?などの説明を1からしなければいけません。
その場合、ほとんどが審査に通らないというのが現状なのです。
個人で貸し会議室を借りる場合は、特に説明に困るでしょう。
しかし、譲渡物件であれば問題ありません。
個人の場合は大きなメリットになるでしょう。
煩わしい手続きがない
貸し会議室の物件を自己名義で契約すると、契約だけでは終わりません。
火災報知器やメーターの確認など何かと立会いが必要な場面が出てきます。
代行会社に任せていたとしても、立ち会いはしてもらえても窓口はあくまで契約者ですので、電話連絡などの手間が発生してしまいます。
その点、譲渡物件は営業権の譲渡ですので、物件の契約者になるわけではありません。
電話連絡も立ち会いも不要。
ほったらかしで運営できるというわけです。
当初の赤字期間がない
実績のある貸し会議室になりますので、通常のような3〜6ヶ月の赤字期間はありません。
赤字の期間が6ヶ月ともなると、その間の支出は数十万円にもなるケースがあります。
その損失がなくなるというのは大きなメリットになりますよね
実績のある物件が手に入る
譲渡物件の最大のメリットは、実績のある物件が手に入るという点です。
貸し会議室投資は、始めれば必ず利益が出るというわけではありません。
全ての人が成功できるというわけでは無いのです。
貸し会議室の売り上げは、立地の要素が大きいですが、それだけではありません。
- 内装や備品は使いやすくなっているか
- 管理がしっかりされているか
- 清潔に保たれているか
- トラブル時に即対応が取れているか
など、立地が良くてもユーザビリティが悪ければ、利用者は離れてしまいます。
利益の出る条件を満たし、利益を出し続けている物件だからこそ、今後も利益を出し続けれる可能性が高いのです。
そういった実績のある物件が手に入るのが最大のメリットでしょう。
譲渡物件のデメリット
【譲渡物件のデメリット】
- 好きなデザインにするのが困難
- 賃貸が自分名義ではない
- 普通に始めるより初期投資が割高
好きな立地やデザインにするのが困難
すでに運営している貸し会議室ですので、立地の選択肢が少ないです。
また、自分の好きなデザインに変更することも困難です。
できなくもないのですが、什器の手配や施工・プラットフォームの写真入れ替えなど追加費用が発生する場合がほとんど。
資金に余裕があるようでしたら、立地の良い物件を入手して自分の好きなデザインにするのもアリかもしれません。
その場合は、代行会社とご相談してみるのもいいでしょう。
賃貸名義が自分ではない
すでに運営している貸し会議室ですので、賃貸名義は自分ではありません。
運営代行会社が直接物件の賃貸契約をして運営している貸会議室の営業権を買い取るという意味だからです。
あくまで、名義上の問題のみです。
しかしそうすると、物件自体の賃貸契約の名義変更も必要なく、営業している状態で何も変える事なく引き継ぐことができます。
赤字期間が無いという事、即利益が発生するという事、固定客がついているので売り上げが大きく変動しない事などデメリットよりはメリットの方が大きいと言えるでしょう。
例でいうと、居酒屋として運営している店舗を買い取るイメージだと分かりやすいかもしれません。
営業権譲渡は一般的で、普通に行われている事です。
単に運営中の店舗のオーナーが変わるという認識だとわかりますいかもしれません。
普通に始めるより初期投資が割高
貸し会議室投資で成功する為の最大の秘訣は『立地』です。
良い立地を押さえれれば、集客に困ることはほぼないでしょう。
利益が出ている物件は最高の立地に面した物件ばかり。
その物件の営業権を手に入られるわけですから割高なのは当然です。
どれほど割高かというと、通常より+50〜100万といったところが相場。
通常の貸し会議室の初期投資は150万だとすると、譲渡物件は200〜250万といった額になります。
例えば、初期投資で200万、月々5万円の利益があれば年間60万の利益になります。
利回り換算すると、利回り30%。
高利回りであり、3.4年で元本を回収できてしまいます。
不動産収入でも平均利回りは6%前後ですので、どれほどハイリターンなのかがわかると思います。
よって、初期投資の金額は多いですが、長期運用を考えればお得になるということです。
販売の事例をご紹介
こちらは2018年に販売された東京都渋谷区の譲渡物件の販売図面です。
【譲渡物件の例】
販売図面とは?
物件の情報が記載された購入検討者への資料となるもの
こちらの販売図面では、4つの項目に分けて記載しています。
- 物件の写真
- アピールポイント
- 物件情報
- 直近3ヶ月の売り上げ
アピールポイントには、利回りやプラットフォームの掲載順位などの詳細情報が記載されています。(2018年当時の情報です。)
実際に運営している貸し会議室で、どれくらい収益を上げていたのかも一目でわかるようになっています。
まとめ
貸し会議室投資では、運営初期には赤字が発生する可能性や黒字化出来ず撤退せざるおえなくなる可能性もあります。
ですので、資金には余裕を持ってスタートすることをお勧めします。
しかし、どうしても赤字期間が我慢できない場合や貸し会議室投資で失敗したくないという方にオススメなのが譲渡物件です。
譲渡物件についてまとめると、
【譲渡物件のメリット】
- 賃貸契約が不要
- 煩わしい手続きがない
- 当初の赤字期間がない
- 過去に実績のある物件が手に入る
【譲渡物件のデメリット】
- 好きなデザインにするのが困難
- 賃貸名義が自分ではない
- 普通に始めるより初期投資が割高
初期投資が通常より+50〜100万円と割高なのはありますが、実績が出ているというのは大きなメリットになるでしょう。
貸し会議室投資は利回りの良い投資です。
しかし、すべての貸し会議室で稼げるというわけではありません。
失敗したくないという方は多少初期投資がかかっても利益の出ている譲渡物件に投資をする方が勝率は格段に上昇するでしょう。